監禁されたアレックスの行方と秘密を巡る、視点ぶん回し型のフレンチミステリー。

アレックスの監禁から始まる一連の事件と真相が3章構成で語られていきます。ネタバレ厳禁の物語なので内容には触れませんが、章が進むにつれて読者としてのアレックスと周辺情況への視点、感じ方が大きく二転三転と変わっていきます。その揺すられっぷりこそがこの作品の醍醐味で、 この点を面白いと感じるか、書き手に騙されたと感じるかで、大きく評価が分かれそうです。僕はあまり深読みせず、疾走するストーリーに振り回されるのを愉しみました。

この作品に限ったことじゃないけど、ミステリーやどんでん返し系のトリックが潜む作品を読むときに、伏線を見破ってやる!という作者に挑むようなスタンスで読んで読まないようにしています。読み終わって、誰かとあれこれと話すのも含めてミステリーの面白さ、だと思ってます。 ちょっと話題になっているレストランに行って、一人で「このレシピを見破ってやるぞ!」と息巻いて黙々と食べるよりも、友人や恋人と「これ、おいしいね」って言い合って食べたほうが、美味しくって楽しい。という感覚で。

あとは何か所か結構ハードな残酷描写があったり、ネズミの迫力がすごかったり、それらが苦手な人には強くオススメはできませんが、エンターテイメントな読書としては文句なしな一冊です。。あっという間に読了です。巻末の後書きには、既に映画化が決定していると書かれていましたが、いくつかの場面についてはどう映像化するのか気になるところ。

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